あぶだくしょん🛸

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ウルトラマンがもっと楽しく見れる記事!

 本年で55周年を迎えるウルトラマン!昨年のゼットの人気もあって、様々な年齢層のファンが増えているのに喜びを禁じ得ません。

 そこで!人生20年の大体をウルトラマンと過ごした僕からウルトラマンをより楽しめる解説や考察を記事にしてお届けします。

 

 今回はウルトラマンシリーズのCGの見所と歴史を解説していきます!

 

ウルトラマンとCG

 ウルトラマンの作中でCGが本格的に取り入れられたのは1996放送のウルトラマンティガになります。この時には戦闘機のエフェクトやぐんぐんカットと呼ばれる巨大化シーン、ティガが飛び去るカットに使われました。特に飛び去るカットは、それまでの人形を使った手法よりもスピード感に溢れ、更にはスラロームしながら飛び去るといった動きを加えるなど視覚面においては多大な効果を上げました。

 反面、モデリングの精巧さは人形に劣り(この場合、人形が精巧すぎる)時間と費用がかさむもので昨今のハリウッド大作の様に使われることはありませんでした。

 

 しかし、円谷プロではCG技術の洗練と受け継がれてきたミニチュア特撮の技術を合わせた作劇の挑戦が続けられます。

 続くウルトラマンダイナでは、ダイナが透明な姿から実体化する様を、2001年に放映されたウルトラマンコスモスでは光の粒子が集まり姿を表すコスモスやモードチェンジの際に色と模様、スタイルの変化をシームレスに見せる等と活かされていきます。

 その後も光線や背景などに利用されていきますが、劇的な変化は2004年のウルトラマンネクサスとTHEネクストで起こります。

 CGIにアニメーターの板野一郎氏が参加します。氏は2006年のウルトラマンメビウスまでCGI関連で深くウルトラマンに関わります。

 マクロスシリーズ等で知られる空中戦の名手とも言える板野氏の参加によりウルトラマンの空中戦は凄まじいスピードと動きを伴って進化しました。

 ネクストではラストでのビーストとの戦闘シーン、メビウス&ウルトラ兄弟でのラストシーンではメビウスが怪獣のミサイルをかわしながら突撃するシーンとハイコンセプトウルトラマンの数ある空中戦の名シーンがCGで描かれました。

 更に時代は下り2009年に公開されたウルトラ銀河伝説になると、ミニチュア主体ではなく、ギャラクシーファイト等で見られるグリーンバック主体の背景をモデリングし合成する作劇が行われるようになりました。

 この手法は坂本浩一氏がワイヤーアクションと併せて多用し映像面で変化をもたらします。

 この時にモデリングされた光の国の景観は現在でも使用されるようになり多くのファンにもウルトラマンの故郷の光景として焼き付いています。

 

 2016年には短編映像としてフルCGの初代ウルトラマンザラガスの戦いを描いた映像が公開されました。ガラス張りの高層ビルにうもれるウルトラマンと怪獣の姿は印象深いです。

 

現在のCG技術

最新作のウルトラマントリガーのCGはここ数年の集大成とも言える出来映えと言えます。

特にモデリングに関しては格段に飛躍しておりガッツセレクトのメカニックやギマイラのモデリングは以前のプロップに肉薄する存在感をもっています。

 また、ガッツファルコンのアクロバティックな挙動はCGで描かれるからこそ映えるものであり、そのスピーディーかつ変幻自在の挙動は歴代の戦闘機では随一と言って過言ではありません。

 また、来年に公開予定のシン・ウルトラマンに登場するウルトラマンはCGで描かれています。どのような活躍をするのか楽しみです。

 

注目点は?

 CGによる表現の注目点はリアリティとアクロバティックな挙動にあり、これをどれだけ早く仕上げられるかにかかります。

 リアリティーについては材質ごとの質感、鉄や布といった物、動物の毛並や羽毛といった存在感に説得力を持たせるディテールを差します。

 挙動は正に変幻自在であり、想像もつかない三次元的なアクロバットが展開されます。

 この二点を的確に紹介できるのがウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟です。

 ラストシーンでのUキラーザウルスの巨大な顎がメビウスを捉えそのまま破壊光線でメビウスを焼き払ってしまいます。抉れた地面、光線の熱で爆散したUキラーザウルスの顎双方とも生々しく赤熱しています。この赤熱している様があるからこそ光線の破壊力とウルトラマンが倒されたという絶望感に説得力がもたらされるのです。

 その次のシーンでメビウスウルトラ兄弟と合体してメビウスインフィニティーという姿に変身します。

 Uキラーザウルスがミサイルを筆写しメビウスを仕留めんとしますが、メビウスはミサイルを空中で牽制してから、突撃し、ミサイルの合間を掻い潜りながらミサイルを撃墜しUキラーザウルスに突撃していきます。

 この時の空中での滑らかな動きと、ミサイルの合間をスピーディーに掻い潜るスリリングなアクションはCGによる挙動の醍醐味と言えます。 

 また、体長四十メートルのメビウスと体長303メートルという破格の体格差をもつ両者の対決を映像として成立させられるのもCG表現のもつ魅力であります。

 

最後に

ウルトラマンの映像技術は様々な技術進歩によって常に新たな表現を映し出して来ました。今もその途上にあるのでしょう。次の55年の進歩を目にしながら以後のシリーズを楽しみましょう!